教員紹介

教授 肥爪 周二 HIZUME, Shuji

1.略歴
1989年3月 東京大学文学部国語学専修課程卒業
1991年3月 東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻修士課程修了
1993年3月 東京大学大学院人文科学研究科国語国文学専攻博士課程中退
1993年4月 明海大学外国語学部専任講師
1997年10月 茨城大学人文学部人文学科助教授
2003年4月 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部助教授
2007年4月 東京大学大学院人文社会系研究科・文学部准教授
2018年4月東京大学大学院人文社会系研究科・文学部教授(~現在に至る)

2.主な研究活動
a. 専門分野:国語学
b. 研究課題
日本語音韻史・日本漢字音史・日本韻学史を、主な専門領域とする。古代日本における外国語研究の二本の柱、すなわち漢字音韻学(中国語学)・悉曇学(梵語学)の学史的研究を、主要な研究領域とする。先人の残したさまざまな記録を元に、江戸時代以前の日本における、音声観察・音声分類の発達および変遷を解明することを目指す。これらの研究成果と連動させつつ、漢字音の日本化の問題、拗音分布の偏在性についての歴史的解釈、濁音の起源(連濁現象の起源)についての考察など、音韻史分野にも研究対象を拡張し、着実に成果を上げている。近年の課題としては、国語音・漢字音(呉音系字音、漢音系字音、唐音系字音)・梵語音を総合する、日本語音節バリエーションの歴史を明らかにすることを目指している。

准教授 小西 いずみ KONISHI, Izumi

1.略歴
1996年3月 東京都立大学人文学部文学科国文学専攻卒業
1998年3月 東京都立大学大学院人文科学研究科国文学専攻修士課程修了
1999年3月 東京都立大学大学院人文科学研究科国文学専攻博士課程退学
1999年4月 東京都立大学人文学部助手
2007年4月 広島大学大学院教育学研究科講師
2008年3月 東北大学大学院文学研究科言語科学専攻国語学専攻分野博士課程後期修了
2009年4月 広島大学大学院教育学研究科准教授
2020年4月 東京大学大学院人文社会系研究科准教授

2.主な研究活動
a. 専門分野:日本語学、方言学
b. 日本語の方言の研究を専門とする。文法を中心に、音韻や語彙も含めた各地方言の記述的研究・言語地理学的研究を行っている。対象とする方言は、母方言である富山県方言、「方言の島」とされてきた山梨県奈良田方言、島根県出雲・隠岐方言など。最近は特に終助詞の記述・対照研究に取り組み、終助詞が担う意味・機能とはどのようなものか、終助詞の体系にどのような方言差があり、その差は何に拠るのかを明らかにすることを目指している。方言という対象の性格から社会言語学や方言資料のアーカイブにも関心があり、日琉諸方言文法辞典の編集や、消滅危機方言の記録とドキュメンテーションに関する共同研究に携わっている。
ウェブサイト:http://www.l.u-tokyo.ac.jp/~ikonishi/

准教授 林 淳子 HAYASHI, Junko

1.略歴
2007年3月 東京大学文学部日本語日本文学(国語学)専修課程卒業
2009年3月 東京大学大学院人文社会系研究科日本語日本文学専門分野修士課程修了
2017年3月 東京大学大学院人文社会系研究科日本語日本文学専門分野博士課程単位取得退学
2017年4月 慶應義塾大学日本語・日本文化教育センター専任講師
2023年4月 慶應義塾大学日本語・日本文化教育センター准教授
2024年4月 東京大学大学院人文社会系研究科准教授

2.主な研究活動
a.専門分野:日本語学
b.研究課題
文法を専門とする。特に疑問文やノダ文など、コミュニケーションの場面で成立する文を研究対象とし、文の形式と文法構造と言語行為としてのあり方の3者がどのような関係にあるか説明することを研究課題としている。内省や用例分析による現代語の記述的研究に加え、その研究成果に基づいて現代語を過去の日本語と対照したり、現代語に至るまでの変化の過程を観察したりする文法史の研究も行っている。また、文の文法構造と文が実現する言語行為の関係をめぐって日本語と他の言語を対照することにも関心があり、これらの研究を通して現代日本語の文法を数ある文法の一つとして相対化して捉えることを心がけている。